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そうだ 諸塚神楽、行こう。③-神楽稽古、そしてまさかの神楽舞の舞台へ-

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(経緯については こちら ・前回のブログは こちら ) シリーズのようになってしまったこのブログも今回が最後。 今回も少し長くなってしまいましたが、動画もありますので、 ぜひ最後までお付き合い頂ければ嬉しいです。 神楽稽古&滞在 諸塚神社のお祭りが終わり、次は桂正八幡神社でのお祭り。 稽古の期間は約10日間ほど。 「とうせい」という二人で舞う演目を今回稽古させて頂きました。 (神楽では「踊る」と言わず、「舞う」と言うそうです。) 「とうせい」 ・山神、水神を祀る(敬って舞う) ・桂神楽根本の舞で、神楽を身につけるには必修(基本中の基本) 宮司さんは、神楽を長くやってきている中で、 「とうせい」が一番難しいと感じているそうです。 やっぱり「基本」ってどこの世界も難しいんですね。 神楽の舞手の方々も口を揃えて「とうせい」がしっかり舞えれば、 他の神楽も舞えるということを教えてくれました。 稽古の日々のはじまり、、 この「とうせい」正直、「振り」や「動き」はシンプルでそこまで難しくない のですが、習得は簡単にはいかず、最初かなり混乱をしました。 ・東西南北四方に向かって舞う ・とにかく舞う時間が長い(全部で約20分、動いているのが15分くらい) という、振りや動きのシンプルさが逆に、途中僕を何度も迷子にさせたのです。 扇子と写真のような鈴を持って舞ます 毎日の指導をしてくれたのは村に住む青年Tくんでした。 彼は数年前、桂神楽を祭りで見て、感銘を受け、奈良県から移ってきた勇士です。 彼のおじいちゃんは、この桂の村に住む神楽の名手。 DNAが違います。宮司Hさんも「今後の桂神楽を伝承していく男」という お墨付きを与えている彼との稽古です。 宮司Hさんと彼は日中仕事していたので、一緒に練習するのは夜8時以降でした。 夜の8時以降!? 僕は暇人です。日中はどうしたら良いのか? 町に出る(山を降りる)には車で30分以上。僕には車もない。バスも走ってない。 こういうところですから、、、 書籍「百彩の森から〜諸塚の神楽と人々のくらし」の 中の 写真

そうだ 諸塚神楽、行こう。②-神楽体験-

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前回ブログ にて日本に神楽を習いに行くと決めた経緯と想いを書かせて頂きました。 このブログでは、その滞在で経験できたことを書かせて頂きます。 ー滞在スタート& 神楽ー 今回、有り難いことに諸塚村の桂(かつら)地区にある宮司さんの ご自宅に泊めさせて頂きました。 桂地区の全体の戸数は五戸のみ。(とても少ない) 僕が滞在したのは、山奥深く山頂へ向かう道を進み、その深い森を通り 過ぎた所にある一戸です。 桂地区の集落 書籍「百彩の森から〜諸塚の神楽と人々のくらし」 写真;狩集武志さん そんな諸塚村桂地区・桂正八幡神社に伝わるのが 「桂神楽」 その起源は南北朝時代(約650年前)とする言い伝えがあります。 ※江戸時代に火事があり、それ以前の文献は残っていないようです。 ただ、いずれにせよ、歴史のある貴重な神楽に間違いありません。 今回は秋の例祭で、立岩地区の諸塚神社と桂正八幡神社での桂神楽の奉納に 関わらせていただきました。 ベルリンの都市から宮崎の大自然へのトラベルです!!! さぁ滞在スタート!! 宮崎に着いた翌日に早速お祭り準備のお手伝いがあるとのこと! 喜んでさせて頂きます!!なんでもやります!!の精神でした。 諸塚神社に行くと、 朝、おじいちゃんおばあちゃんたちが集まって掃除をしているではないですか。 おそうじ(雑巾がけ)大好きな僕に任せて〜といった感じで激しく雑巾がけを していたら、一人のおばあちゃんが「婿に欲しいわぁ」とささやいているのが 聞こえ、ちょっと誇らしく思った僕は、とことん床を磨きました。(にやり) ちなみに、この諸塚神社の御祭神は二十八柱と大変多く、しかも天孫降臨以前の 天神七代の祖神十三柱も含まれるとのこと。高天原時代の神を全部祭ったお宮は ほかに例がないそうです。 諸塚神社のお祭り後のおせんまい(紅白餅)撒き 神楽の前日リハーサル "ヨド"とは お祭り前日の夜、神楽の舞手たちが神楽殿に集まりリハーサルをする 「ヨド」と呼ばれるものに、宮司のHさんに連れられて参加してきました。 ※ちなみに、この「ヨド」というのは、その昔、夜通しでリハ

そうだ 諸塚神楽、行こう。①-経緯-

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ベルリンでの生活もまもなく5年。 久々の決断。 二人目の子どもが生まれてから約半月で一人日本へ行ってきました。 日本に行くと決めたのは出発の1週間前です。 ー経緯ー 遡ることその一ヶ月前。 友人の墨アーティスト昇慶さんがベルリン滞在中に 宮崎県諸塚(もろつか)村の「宮司でもあり、幻の神楽舞の名手」を 紹介してくれたことが日本行きのきっかけとなりました。 「神楽 」 とは "神楽(かぐら)は、日本の神道の神事において神に奉納するため奏される歌舞" 出典元:  神楽- Wikipedia 諸塚神社神楽殿にて そもそも僕が神楽に興味を持ち始めたのは約一年ほど前から。 大分県で神楽に触れる機会(詳細は Sirabei ブログ に記載あり)が あったことも関係していて、神楽の神髄を知りたいと思っていました。 果たして日本の踊りの原点でもある神楽って何なのか・・・ そんな時に昇慶さんから「今、宮司(H)さんと電話繋がってるから話すか?」 といきなり言われて急に宮司さんと話すことになったんです。 ちょうどその時、昇慶さんは彼女の作品をお祭り時、神社に奉納する ということで彼やその奥さんとやりとりをしていたところでした。 電話にて宮司のHさんに神楽とは何かを知りたいと伝えると、 神楽とは「感謝」だと、すぐに教えてくれました。 秋は収穫の感謝を神様に舞として捧げると。 それを聞いたとき、この人に是非会いたいと思いました。 (なんたって僕は感謝という言葉が好きなのです!!!) さて、 話しを聞くと、お祭りは10月下旬と11月上旬に行なわれ、 そこで神楽が舞われるということでした。その期間宮崎にいれば、 神楽の練習に参加させて頂けるという話を聞いた時、 心がわくわくし、すぐに行かせてくださいと伝えている自分がいました。 もちろん、生まれてくる子どものことや奥さんの体調が第一優先です。 義理母がベルリンに来てくれていたことと、奥さんや赤ちゃんの体調が 悪くなかったこと、奥さんが背中を押してくれたことなど、本当に有り難い ことに様々な条件が揃ったのが出発の約一週間前。 思い返せば、お腹に第一子がいる時に働いていた会