初大道芸 IN Berlin
念願だった大道芸をブランデングルク門近くの並木道で行った。
週末ともあり大勢の人が通るところである。
子供の頃、パントマイムをする芸人を見て興味を持ち、真似をして、体を動かすおもしろさを覚え、ダンサーになり、そして、いつしか自分もやってみたいと思うようになっていた大道芸だ。
パントマイムではないが、日本でこのために習っていた日本舞踊を踊ることにした。
パフォーマンスを行う場所を決め、少し離れた場所で「ドキドキ」と期待なのか
不安からなのか、どちらかわからない心臓の鼓動を息を通して感じながら、
着物に着替え、無心のまま踊る場所まで歩いていた。
約一年前、ベルリンに来る事が決まり、色々な方にドイツで大道芸を行うと
公言してはいたが、いつしか言葉だけが先行するようになっていた。
最初のわくわくはどこにいったのだろうとドイツへ来てから数ヶ月経っている事に、
少し焦りを感じながらも、日本で決めた「自分の心がわくわくする道を選択し
進んで行く」という自分の思いを信じ待っていたが、その時がようやく来た。
無我夢中とはこの事だろう。気づいたら約四時間踊り続けていた。
音を流すプレイヤーがないので、音無で踊っていたのだが、自分の中では
踊りとともに体から音が流れているような感じがしていた。
音がない事を踊らない理由にはしたくなかった。
そしてプレイヤーがない事で、音に頼らなくても踊るのが
パフォーマーであると思う事もできた。
踊っている時は夢の中を生きているんだなと強く感じたのを覚えている。
この先、なにがあるかわからないが、常に今を見つめ、今の喜びを感じながら
今この時を生きていきたいと心から思う。
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