4/11/2014

1ユーロの原動力

大道芸で踊っている間は、近くにコインを入れるためのお椀を置いている。

始めたばかりということもあり、なんか気になってしょうがない。お椀に近づく人が
いると「おっ、入れてくれるのか」という甘い期待や「コインは入れたままで
平気かな?」なんていう軽い不安があったりと、ちょっと余計な考えが頭を
よぎることもしばしば。基本的には踊りに集中している。とは言え、コインの
音はするので、何人くらい入れてくれたかというのは見なくてもよく分かる。

前回と同じ場所で芸を披露。あまり長い時間やらなかったというのもあるが、
コインの音はほぼ聞こえることなく、芸を終えた。

きっとこんな日もあるんだな。と、芸をした場所からそんなに遠くない木の陰に
なっているベンチにて、一人反省会をしながら着替えをしていると、誰かがこちらの
方に向かって歩いてきているような気配を感じた。

怖いなと思い、顔を上げると、目の前には二十歳前後の眼鏡をかけた女性が立っていた。
その女性と目が合うと、とても早いスピードのドイツ語が聞こえてきた。
全く聞き取れない、と瞬時に判断した私は彼女のジェスチャーに意識を向けると、
彼女は私を指差し、そして私が踊っていた場所を指差している。
そして何か一言二言話した後、笑顔の彼女はあるものを私に手渡してくれた。

それは、1ユーロコインである。

彼女はコインを私に渡すと、笑顔で"Tschuess!"(さよなら)と言い去って行く。

私服に着替え終わっていたし、お椀ももちろん片付けていた。しかも、異国の
人間であるにも関わらず、コインを渡しに来てくれた彼女のその後ろ姿に
感謝すると同時に、とても胸が熱くなった。

『俺はこのためにやっているのだ』

お金のためではない。(もちろん、頂いたお金は有り難く喜びのある方へ
使わせて頂きます)


感動を与えてくれた彼女に感謝だ。
この1ユーロは一生私をパフォーマーにさせ続けるだろう。

DANKE!!!!!!!!!!!!!



















4/07/2014

初大道芸 IN Berlin

念願だった大道芸をブランデングルク門近くの並木道で行った。
週末ともあり大勢の人が通るところである。


子供の頃、パントマイムをする芸人を見て興味を持ち、真似をして、体を動かすおもしろさを覚え、ダンサーになり、そして、いつしか自分もやってみたいと思うようになっていた大道芸だ。
パントマイムではないが、日本でこのために習っていた日本舞踊を踊ることにした。


パフォーマンスを行う場所を決め、少し離れた場所で「ドキドキ」と期待なのか
不安からなのか、どちらかわからない心臓の鼓動を息を通して感じながら、
着物に着替え、無心のまま踊る場所まで歩いていた。


約一年前、ベルリンに来る事が決まり、色々な方にドイツで大道芸を行うと
公言してはいたが、いつしか言葉だけが先行するようになっていた。
最初のわくわくはどこにいったのだろうとドイツへ来てから数ヶ月経っている事に、
少し焦りを感じながらも、日本で決めた「自分の心がわくわくする道を選択し
進んで行く」という自分の思いを信じ待っていたが、その時がようやく来た。


無我夢中とはこの事だろう。気づいたら約四時間踊り続けていた。
音を流すプレイヤーがないので、音無で踊っていたのだが、自分の中では
踊りとともに体から音が流れているような感じがしていた。

音がない事を踊らない理由にはしたくなかった。
そしてプレイヤーがない事で、音に頼らなくても踊るのが
パフォーマーであると思う事もできた。


踊っている時は夢の中を生きているんだなと強く感じたのを覚えている。


この先、なにがあるかわからないが、常に今を見つめ、今の喜びを感じながら
今この時を生きていきたいと心から思う。





ryota.method@gmail.com