三人へのありがとう

台風が近付いているなか、ラッシュの時間に電車に乗ってしまった。

そんな時にかぎり荷物が多かったりする。
重い手荷物、大きめのバルーンが入った紙袋に傘、変な組み合わせだが、
そんな事は気にしていられない。帰るためにはこの電車に乗りたい。

すでに超満員の車内に入って行く列。しかしその最中バルーンが悲鳴を
あげていたので入り口付近の網棚を見たが、すでに先客あり。「んんっ」

『キュッキュ』と嫌な音と割れるんじゃないかという心配を周りの
方がしていそうだったので「ここはしょうがない、協力者を募ろう」と
網棚が空いている前に立っていた男性に「この荷物を網棚に置いて頂けますか?」
と腕を精一杯伸ばしパス。しっかり受け取ってくれたことに感謝。

そうこうしているうちに、次の停車駅に。超満員だが、おしくらまんじゅうで、
なす術もなく体は斜めに。角度は45度でそれを支えるのは、つり革を掴むこの細い腕。
あと30分持つかな・・・

ふと気づくと、私に寄りかかりつつも必死につり革につかまっている女性が
いた。かわいそうに感じたので「手がきつかったら寄りかかってもいいですよ」と
そっと伝える。見知らぬ女性に、こんな事言うのは勇気がいったが、
少しばかり寄りかかってもらえ安心した。もちろん腕は血管が浮き出でいる・・・

次の停車駅でようやく体は縦に。
次なる問題発生。
網棚に載せたバルーン入りの紙袋が落ちそうになっているではありませんか。
片腕には重い手荷物を持っていたので、紙袋をもう片方の手で支えようとしたが、
網棚から飛び出そうになってしまった。しまったと思った瞬間、先ほど私に寄りかかった
女性がさっと手を出し、紙袋が網棚から飛び出るのを支えてくれたのだった。

私が降りる駅まで紙袋を支えてくださったその女性に感動したので、
ありがとうだけではなく、気持ちを伝えたいと思い、電車を降りる時に
「良い事がありますように」
と感謝の気持ちを言葉にした。
ホームではバルーンを網棚に載せてくれた男性がいたので、もう一度お礼を伝える
こともできた。

外は激しい雨、車内は超満員、でもなんて清々しいのだろうか。
他人同士だけど、協力し合える。うん、まだまだ日本にはこんな素晴らしい事が
溢れているんだ!

腕はかなりしびれていたけど、心はもっとしびれていた。

長く拙い文章に付き合って頂いた「あなた」にも感謝です。

どこか奥深くで、この気持ちが誰かの役に立ちますように。




網棚の上から一部始終を
目撃していたのはこの子です。





















このブログの人気の投稿

第五回 花柳輔蔵稽古場ゆかた会 出演決定

おそうじダンスって何と聞かれることが多いので・・・・その1

【その6】おそうじダンスって何と聞かれるので、、、   「開運とそうじとの関係」