大道芸ご縁 in Berlin

それは突然のことだった。

いつものマーケット。いつもの通り沿いで日本舞踊を踊っている。

振りのレパートリーが多くはないので、同じ曲を繰り返し踊っているのだが、
さぁもう一回踊ろうという時に、二人の小さな女の子が話しかけてきた。

「あなたは日本人?」

「そうだよ。」  と答えると

「なんで踊ってるの?」 と次は、たどたどしい日本語で質問が飛んできた。

「見てくれる人に、喜んでもらいたいからだよ。」

そこから30分以上立ち話をすることになった。。

話しを聞くと、その二人はドイツの小学校に通う3年生と1年生の姉妹で、
お父さんはドイツ人、お母さんは日本人、今はお父さんと旅行中で、
近くのレストランで食事中らしい。

レストランの前の通りで私は踊っていたのだが、どうやら、そのレストランの
テラス席から、私の踊りを見ていたようだ。

お父さんは何をやっているのか気になって聞いてみると、商談相手と仕事の話を
しているとのこと。

私の踊りが気になって来てくれたのか、退屈だから話しに来たのか、、、
きっと、おそらく、たぶん前者だったのだろう、、、

それはともかく、その姉妹は沢山のお話をしてくれた。
名前の由来、日本のこと、お父さんの仕事、お母さんのこと、
お兄ちゃんがいることなどや、大道芸をする私へのアドバイスまで。
(踊る時、目の前にかばんを置いてコインをもらったほうが良いということまで
 教えてくれた) すでにコインを入れるお椀を置いていたので、あることを
伝えると嬉しそうに笑ってくれた。


そして、最後にこの姉妹のためだけに踊ることにした。


二人の真剣なまなざしは私の心に火を灯す。


しかし、妹のほうは踊りの途中で帰り、姉のほうは私が踊り終えると何も話さず
帰ってしまったではないか。

「やっぱり曲があったほうが良いかなぁ」と帰る支度をしようとしていると、
お姉ちゃんが、また歩み寄ってくる。

そして、その子の手から私の手にコインが渡される。

わざわざお父さんのところに行ってコインを調達してきたようだ。その
想いが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

小さな出会いと小さなコインだが、その中には目では見れない大きな
喜びが含まれている。



「そういえば、妹の◯◯ちゃんは?」

「おトイレに行ってる」

こどもは素晴らしい。


また、どこかで会いましょうね。







このブログの人気の投稿

第五回 花柳輔蔵稽古場ゆかた会 出演決定

おそうじダンスって何と聞かれることが多いので・・・・その1

【その6】おそうじダンスって何と聞かれるので、、、   「開運とそうじとの関係」